日田の良さを発信するAreas Life Design Shop-エリアスライフデザインショップ-

日田杉で作られたオリジナルの家具や雑貨を扱う豆田町にあるおしゃれなお店がAreas Life Design Shopさんです。日田愛の強い店主の仙崎さんにお話を伺いました。

日田は生活必需品がひと通りそろう町

もともとぼくは日田の者ではなくて、北九州出身なんです。
ソファーの商品開発に憧れて就職活動をしていたんですが、その時に「ソファーなら日田に行きなさい」と言われて日田に就職したんです。日田で暮らし始めて会社以外にも知り合いができるわけですが、地元の人は日田がソファーの産地だということを意外と知らないんですよね。全国的にも有名な産地なのに。市を挙げて下駄や木工品のPRには力を入れていますが、家具に関しては業界自体も特に発信していなかったんです。それで、もっとPRすべきだろうと思って12年前に独立してお店を始めました。
日田は、ソファーを始め、家具や木工品、陶器など生活必需品がひと通りそろう町なんですよ。ところが、杉や下駄を別にすると、特に発信されていない。
そこで、今度、衣食住がそろう町というコンセプトで工場見学をします。
家具業界がメインになりますが、ぼくも地域のものづくりの発信をお手伝いをさせてもらおうかなと思っています。

日田にしかできない、日田らしいを発信したい

日田にはいいものがたくさんあるのに日の目を浴びていないと思って、もっとすごさをPRしなければならないと思います。よそから来たからこそ見える部分であって、だから自分もここで商売して結果を出して、それで地域が良くなるのなら意味があるなと思ったんです。
ただ、最初はその思いが強すぎて、お客さんに「日田の材料を使っています」「日田の職人さんが作っています」ということばかり強調していました。
ところが、ある時気がついたのが、お客さんにとってそれは重要ではないということ。お客さんは日田の杉を使っているから、日田の職人さんが作っているからという理由で買うわけではなく、結局、そのものが欲しいか欲しくないかなんです。いくら良い材料を使っていても、欲しくないものを誰も買わないでしょう？先に「世の中にとって必要なもの、今までなかったものとは？」ということを考えて、そこに地域の資源を使ったり地元の職人さんが作ったりといった付加価値を付けることが、本当の意味での地域のものづくりのPRになると気づいたんです。
たとえば、箸やコースターなどの売れ筋の商品がありますが、単に日田杉で作ったというだけでなく、日田らしいデザインにするといったようにワンポイントを加えるということを考えながら商品開発を行っているんですよ。そうじゃないと埋もれてしまいますからね。

他にはない、新しい発想から商品開発

このことは、日田だけでなく、全国で同じような課題を持っている人たちが地域の活性化を目指す際にも通じることです。材料や職人さんだけに頼らず、まず良いものを作ること。そのことにいちばん気をつけています。あと、商品開発の際には、いろんなことをプラスしていく発想と、連想ゲームの2種類の発想で考えるようにしているんです。
プラスする発想とは、たとえば、「木と鉄を組み合わせるとどうなるか」、「この人とこの人をかけ合わせると何ができるか」ということですね。
連想ゲームとは、「日田杉は成長が早い。成長が早いということは年輪の幅が広い。ということは、空気の層が大きい。だから、防音効果や防湿効果が期待できる」という感じですね。
また、日田杉は水を吸いやすいという特性もあるので、その特性を利用してアロマオイルを染み込ませて香りを楽しむグッズを作ったりしてます。てるてる坊主の形をした”てる坊”アロマストラップです。
日田杉は成長が早いから弱いと言われることもありますが、そのデメリットをメリットに変えて商品を開発すれば、よその杉にはないものが生まれるわけです。
こういうことを考えながら商品開発を行っています。

-確かに、その考え方だと新しいものが生まれますよね。

そうなんです。だから、商品開発って無限大ですよ。

日田のすごさをもっとPRしたい

-仙崎さんは日田の方ではないのに地域への思いがとても強い方だということが伝わってきました。

自分たちで発信して自分たちで町を築いていくというのが、日田の人はちょっと疎いなと思います。よそから来た人たちはみんなもったいないって言っていますよ。でも、それは仕方ないです。自分も北九州に住んでいた時に北九州のすごさなんてわからなかったし。自分で店を始めて小鹿田焼とか下駄とか家具業界とかいろんな人たちと知り合ううちに、課題が見えてきたんですよ。
ところが、林業の課題を家具業界の人に言ってもみんな知りません。逆に、家具のことを林業の人は知らないですし。
ぼくは深くまでは知らないけれどある程度のことはわかるので、何か始める時でも「あっちにはこういう課題があって、家具業界にはこういう強みがあるから、それを組み合わせれば地域の課題を家具業界がクリアしてくれるんじゃないか」とアイデアが生まれてくるんですよ。

〜日田市で作られたオリジナル家具や雑貨が揃うショップ〜

豆田町の細い路地にある、古民家を改装したおしゃれな雑貨店。大分県日田市で作られたオリジナル家具や雑貨を中心に沢山のアイテムが揃っています。
見ているだけでも楽しくなる店内。ぜひ、足を運んでみてはいかがですか。

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