日田玖珠地域産業振興センター

安心安全なおいしい野菜を提供する「いろどり工房」

とりたて野菜と干し野菜などの販売を行う「いろどり工房」。こちらの野菜はご夫婦で営む「かじわら農園」で育てたものです。自然栽培のお話やおすすめの食べ方など梶原さんご夫婦にお話を伺いました。

夫婦で農業をはじめて〜

-どういう経緯で農業を始められたんですか?

最初は兼業で、設備の仕事をしながら野菜を作ったりしていました。夫婦で一緒に始めて15年ぐらいですね。
しばらくは設備の仕事をしながら合間で野菜を作っていたんですけど、腰を悪くしてしまって、重い機械を運ぶのが難しくなったんです。それもあって、徐々に畑の方にシフトしていった感じです。最終的には設備の仕事を辞めて畑一本になりました。

無農薬で野菜ができるようになるまで約7年

最初の3年ぐらいは一般的な慣行農業をやっていたんですけど、循環農法という”土から生まれた草木や植物を発酵させ、土に戻し田畑に還す”自然栽培のような、農薬と化学肥料は一切使用しない農法を取り入れています。手間と時間のかかる農法なんですが、知り合いにその農業をやっている方がいて、その方に話を聞いたり、お百姓さんにも実際に畑作業をしながら教えてもらったりしているうちに、「こんな農業もあるんだ」と、180度気持ちが変わったんです。
でも、4~5年は野菜が全くできなかっです。5~6年は植えても出来が悪くて、7年目ぐらいからようやくムラがありながらもちゃんとしたものができ始めました。
化学肥料を使わずに、草の堆肥を入れたり竹のチップを入れたり、いろいろ試行錯誤しながら7年目でやっとという感じです。
一度は農業をやめて前の仕事に戻ろうかと思ったこともありましたが、せっかくここまで来たので続けようと思って。手間と時間はかかりますが、その分野菜の持つ美味しさは格別だと思います。

土づくりにこだわって

うちにはハウスと露地があるんですが、露地の畑はずっと空いていたんですね。そこを使って、肥料など何も使わずに草だけを鋤き込んで育てたところ、人参と大根がえらいできましてね。

-草を刈って土に混ぜ込むんですか?

草を刈って乾燥させて、それを鋤き込んでいるんです。土がとても元気に、ふかふかになるんですよ。肥料をやめると微生物が増えるので土が変わります。でも、化学肥料をやめて1年ぐらいはその成分が土の中に残っているから微生物もいませんし、肥料もなくなるので野菜が成長しないんですよ。そこから徐々に微生物が増えて、野菜が成長するようになるまでに数年かかるという感じだと思います。

-収穫できるまでに、数年もの時間がかかるんですね。

草のやり方で野菜の出来がかわってきます。土の中のカルシウムが少なくなってきたら、野菜はできなくなってくる代わりに、イネ科の草やスギナがいっぱい出てくるんですね。そうなると、また別の草を探して土にやるんです。

-そうやって土を元気にしているんですね。自然栽培では畑に生えた草は取るのですか?

草むしりがいちばん大変ですね。野菜の他にも、お米も作っているので田んぼもありますし。田んぼの方は一度機械でバーっと草を刈るんですけど、残った分は田んぼの中まで入って手で取らなければいけません。

-手作業では大変ですね。それも安全な農作物を提供したいという思いがあるからですね。

そうですね。自家栽培で、自分たちも安心できる、安全なものを提供したいという思いですね。

甘くておいしい人参は葉っぱごと

-野菜の品種は何種類ぐらいありますか?

昔はチンゲンサイのみでしたが、今は年間50種類ほど育てています。人参、空心菜(ヨウサイ)、ナス、トマト、かぼちゃ・・・といろいろな種類の野菜があります。

-かじわら農園で作られた野菜の特徴はありますか?

味が濃く、野菜本来の味が分かると思います。人参はふかふかの土の中で育つので、柔らかく、すぐに火が通るんですよ。いちばんわかりやすいのは甘さですね。人参もトマトもとても甘いですよ。
トマトソースを作るからとトマトを買われたお客さんが、「そのまま食べたら甘くてすごくおいしくて、ソースにしないでそのまま全部食べてしまった」っておっしゃっていましたね。
白ナスなど変わった野菜も作っています。白ナスは中身が柔らかいのが特徴ですね。ふつうのナスの料理と同じでいいんですけど、調理すると甘くトロッと仕上がるんですよ。素揚げして麺つゆで作った出汁に浸して食べるのがおすすめです。あと、同じく素揚げしたナスに野菜で作った餡をかけて食べるのもおいしいですね。
夏の時期は、空心菜と豚肉を塩コショウ・ガラムマサラ・クミンで炒めたものがとても美味しく、お気に入りの料理です。
人参は一番生産量が多いんですが、若い人参だったら葉っぱと一緒にかき揚げにして食べるのがおすすめですね。人参は葉っぱの方にたくさん栄養があるんです。食べられる時期のものは葉っぱまで全て食べてほしいですね。

〜野菜本来の旨みがつまった、安心安全野菜〜

驚くほど、野菜本来の旨みと甘みがつまったかじわら農園で作られる野菜たち。いろどり工房で販売されている干し野菜は、旬の時期に収穫された野菜がふんだんに使われています。手軽に簡単に、栄養も美味しく摂取できます。様々な料理に汁物に、いつでも手軽に調理できる干し野菜と、かじわら農園の梶原さんご夫婦が丹精込めて作った新鮮とれたて野菜を味わってみてはいかがでしょうか。

連絡先

いろどり工房
大分県日田市鶴河内町4403-2        

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