日田玖珠地域産業振興センター

地元を活気づける、日本一の柚子胡椒会社「川津食品」

雄大な釈迦岳を背に、清らかな水と澄んだ空気、自然環境に恵まれた地元前津江での活動にこだわっている「川津食品」。実は、業務用の柚子胡椒では日本一のシェアを誇ります。
そんな「川津食品」さんの山本さんにこだわりや思いを伺いました。

先代の思いを受け継いで

昭和36年創業で、58年になります。初代は今の社長のおじいちゃんです。今の社長で2代目になります。それまで家内工業的でやっていたのを平成16年に会社組織にして、それから十数年で売り上げは十数倍にもなりました。
貯蔵庫、搾汁倉庫や皮むき工場が点在しており、それらを一本化するために、旧赤石小学校を改装して令和1年9月に新工場を作りました。
会社が大きくなっても大切にしているのは、先代が残した言葉です。うちではそれを社訓にしています。
「仕事は和気藹々とやれ」「無理をするな」「農家さんを大切にしろ」の3つです。
和気藹々というのは、いろんな個性の人が集まって仕事をしているので時にはぶつかることもありますが、そんななかで自分でバランスを取ってやっていけということですね。無理をするなというのは、その通り、無理をしても良いものはできないですから、奥が深い言葉です。また、農家さんを大切にというのは、うちの基本で、特に毎年、立派な柚子や唐辛子などを欠かさず納めてくれる農家さんはとてもありがたく、お付き合いをすごく大切にしています。

地元前津江にこだわって日本一!

地元ではあまり知られていないんですが、実は柚子胡椒の出荷高は日本一です。業務用の売り上げが小売用より多くて8対2ぐらいですね。スナック菓子やチーズ、コンビニのからあげなど、実はみなさんがいつも食べている柚子胡椒味の食品や業務用の小分けパックなどの大部分はうちの柚子胡椒です。
輸送の問題もあり、会社移転の話も出るんですが、社長は「前津江で作るからこそ!」という強いこだわりをもっています。前津江の美味しい水を使い、地域の人々の手で作るからこそ意味があります。
「田舎でも日本一になれるんだ」と言って、それを体現しています。
また、地域の人々に働き場の提供できることで、地域貢献もしていければと思っています。

香り高い柚子胡椒のための手剥き作業

9月から皮剥き作業が始まり、すべて手剥きです。協力工場も含めて、数か所、十数人ずつで作業が行われます。それぞれで1日1トンぐらい剥きます。9~12月の4か月間で100トン以上になります。
手剥きをやっているのは主に地域の農家のおばちゃんたちなんですが、農繁期の終わりから正月まで、みんなで集まっておしゃべりしながらですが、みなさん職人なので皮剥きはものすごく速いですよ。
もちろん機械でも剥けますが、手剥きは柚子胡椒の出来に大きな差が出ます。手剥きのものは香り高くて味わい深いのが特徴です。剥いた皮はその日のうちに樽で塩漬けにして仕込みます。今も工場に1000~2000樽ぐらいあって、どの時期のどの品種のものかというのを管理しています。

社長自ら作る、桐箱入り最高級品 「柚子殿」

社長も柚子胡椒の仕込みや調合など作り方を全部マスターしています。年2回、予約制の限定販売で、社長自らが作る柚子胡椒を販売していますよ。1年に2回だけ、工場の休みの日に、社長一人だけで作るんです。
商品名は「柚子殿」といって、桐箱入りの最高級品で1本1500円くらいするんですが、とてもご好評いただいております。
本当に、めちゃくちゃおいしいのができるんですよ。社長の柚子胡椒を食べたら他のが食べられなくなるぐらいです。

ドレッシングや柚子やかぼす100%果汁も大人気

柚子胡椒以外にもたくさんの商品があります。ドレッシングにもお使いいただける、柚子胡椒をベースに作った「ユズリッチ」や、前津江特産の津江葉ワサビと九州産青唐辛子をコラボさせて開発した「わさびペッパー」なども人気です。
また、柚子は皮を剥いた後の実は通常、廃棄するところですが、うちでは絞って果汁にしています。100%の柚子果汁が割安で提供できるので業者さんに大人気です。あと、大分県特産のかぼすも絞っています。

〜すべてにこだわった自慢の「粒柚子胡椒」〜

おすすめの粒柚子胡椒は、有名人が愛用されていたり、その他メディアで紹介されたりと、美味しさは間違いなしです。素材を厳選し、柚子や唐辛子はもちろん、塩も相性の良い九州産のものを使用されています。
柚子の手剥きにもこだわり、それでこの香りと旨味が生まれています。
皆さんも料理のお供に一度お召し上がりいただき、さわやかな香りとピリッとした刺激のとりこになってみませんか?

連絡先

有限会社 川津食品
大分県日田市前津江町大野2256番地        

H P https://www.yuzu-kosyo.jp/