日田玖珠地域産業振興センター

味と栄養にこだわって今も手作業を続ける森山養鶏場

集卵からパック詰めまで、今も昔ながらの方法で養鶏を営む森山養鶏場。餌や水にもこだわっており、鮮やかな黄身の色、弾力、味の濃厚さが特徴です。そんな森山養鶏場の森山さんにこだわりをお伺いしました。

「森山さんちのたまご」

-お仕事されているのはご夫婦がメインですか?

家族中心なんですが、私たち夫婦と母、それに3人のパートさんの、実質6人で卵の洗卵や選別、パック詰めなどローテーションで回していますね。

-ご夫婦が養鶏に携わり始めてどのぐらいになりますか?

もう16年ぐらいになります。よくみなさんに「朝が早いでしょう」って言われますけど、そういうイメージがあるんでしょうね。鶏は朝早くに卵を産むわけではないんです。生き物なので鶏ごとに個性もあって、「今日はこの時間帯に産んだから、明日も同じ時間帯に産む」ということはないんですね。朝拾っても昼にまた産んでいることはよくあり、全部拾うのに夕方までかかります。毎日少しずつ集めるという感じですね。

-鶏はどのぐらいいるんですか?

今は4000羽です。午前中に卵を配達して、餌やりや掃除などの鶏舎の管理は夕方が主になるかな。

-みなさん熟練の技ですね。卵を、とても早く掴みますね。

私も最初は怖くてできませんでしたけどね。パックに詰めるのもおぼつかなかったです。でも、何年もやっているうちに、手で触っただけで感覚がわかるようになるんですよ。

昔ながらの養鶏場を残していくために

20〜30万羽ほどの大きな養鶏場では、拾うところからパックに詰めるところまで、全部機械でやっていますが、うちは昔ながらのやり方をずっと続けています。卵も手で拾って集めてまわっているんです。血卵もたまに出てくるので、そういうのがないかライトで照らしてチェックしながら集めています。
4000羽を全部手作業でというのはかなり大変な作業です。でも、地元の昔ながらの養鶏場を残していくためにも、この作業が大事だと思っています。
お得意さんも手作業ということで付いてきてくださっています。やっぱり料理人さんには素材の違いがわかるんですよ。たとえば、シフォンケーキを作るなら、しっとりふわっと仕上げるにはこの卵じゃないとダメとかね。その他にも黄身の色が違うということで、お寿司屋さんにもずっと使ってもらっています。

新鮮な卵を届けるために

-配達には毎日行かれるんですか?

電話を受けたらその日のうちに配達するという形です。お取引先は、病院さんや旅館さんとかが多いですね。 食中毒の心配もあって今は生卵を使うところが少なくなっているんですけど、旅館では今も昔ながらの卵かけご飯が食べたいというお客さんが多いですから。
食中毒やアレルギーの心配があるから確かにたいへんですけど、うちはやっぱり極力生で食べてもらいたいっていう思いがあります。

-確かに。卵の栄養について最近また見直されていますよね。栄養成分の規定などはあるんですか?

卵にもランクがあって、栄養価の高さや臭みの少なさなどでランク付けされます。餌によって色も栄養成分も違ってくるので、配合飼料をいろいろ調節するんですよ。
うちでは水は地下水を与えています。大自然の中で育てている感じですね。
夏場はすぐに熱中症になってしまうので、その気遣いもあります。熱くなると人間と同じで鶏も食欲が落ちて、水ばかり飲むようになる。だから、栄養剤でビタミンを補給するとか、栄養管理が大変ですね。
他にも、野鳥の侵入を防ぐことが大変ですね。近くに森林があるので、冬になると外来種の鳥が集団で虫を食べに来るんですよ。そういう環境だから仕方ないんですけど、野鳥が侵入しないように石灰を撒くなどの対策をしています。

シンプルな調理法がおすすめ

おすすめの卵の食べ方なんですが、生卵はもちろんですけど、目玉焼きでも玉子焼きでも何にしてもいいですね。ただ、ふわっとした食感を楽しむにはシンプルな食べ方の方が違いに気づきやすいと思います。
卵かけご飯や、塩とごま油だけで炒めて食べるのもおすすめですよ。
鶏が産卵を始めて最初の1か月にしか取れない「初生卵」という卵もあります。普通の卵よりひとまわり小さいのですが、栄養がたっぷり含まれていて、昔から病気の時に食べると良くなると言われていました。いつでも採れるわけじゃないので、販売は期間限定ですけどね。朝に食べるといいですよ。

〜栄養たっぷりの新鮮卵 「森山さんちのたまご」〜

すべて手作業で、地元の昔ながらの養鶏場をまもり続けている森山養鶏場。日田の大自然のなか、水や餌にこだわり大切に鶏を育て、その愛情でおいしい卵がつくられます。
鮮やかな黄身の色、弾力、濃厚な味をぜひご賞味ください。

連絡先

森山養鶏場
大分県日田市大字友田南友田町203−1