子どものおやつからはじまった、やさしいパン屋「おかあさんのパン」
2020年03月02日
小野の山里にある、「おかあさんのパン」。細い道の先には木々に囲まれた古民家があります。まるで田舎に帰ったかのような、どこか懐かしいお店に足を運ぶと、棚にはたくさんのパンが並んでいます。子どものおやつからはじまったというお話しやこだわりなど神川さんに伺いました。
子どものおやつ作りがいつの間にかパン工場に
営業許可を取り、販売しはじめたのは40年ぐらい前です。ここのお店を作ったのは私が49歳のときで、約23年くらい前になりますね。お客さんに直接来てもらいたいと思ったのがはじまりです。それまでは台所横の作業スペースでパンを作り、配達に出ていました。 はじまりは近所に越してきたイギリス人ご夫婦の奥さんからニンジンケーキを習った事がきっかけなんです。野菜でおやつが作れるという事に感動し、野菜嫌いの子どもたちに食べさせようと、野菜入りのパンを作るようになりました。そして、いつも作っているうちに、「誰のパン?」「お母さんのパン」といつも言っていたので、そのまま「おかあさんのパン」になり、販売することになりました。 今の店舗の場所はもともとは自宅で、茶釜があり、味噌蔵、奥にも納屋がありました。農作業の部屋だったのを、改築してはじめました。 最初は小さいスペースで営業をはじめました。徐々に横の部屋も店舗に増やして、その次の部屋も増やして、奥の部屋も。と、徐々に増えていきました。私もずっとパン屋をするという気構えでやっていなくて。もともと子どものおやつ作りからはじまったもので、長くするつもりはなかったんです。気がつけば、ずるずるとここまで来てたわけです。喫茶店はやっていませんが、パンを買った方が休憩する場所を開放しています。イートインスペースではないんですが、買ったお客さんが好きにくつろげる場として開放しています。そこで、サービスのコーヒーを飲んで行かれる方もいますね。
季節の野菜をふんだんに使ったやさしく美味しいパン
特徴は野菜がたくさん入っていることです。トマトと人参、じゃがいもを使ったり、よもぎは近くの山で摘んだものを使うなどしています。 もともとは、その時に出来ているもので作っていたおやつだったので、今もその季節ごとの地場産野菜をなるべく使っています。作り方も独学ですので、試行錯誤です。また、国産小麦や自家製酵母を主に、沖縄の塩やざら目など材料を厳選し体にやさしいパンを作っています。 今は近くの人、3人にお手伝いしてもらいながらやっています。一時期はスタッフも6人いて、量も倍ぐらい作っていました。今ではみんな腰も曲がって、年寄りになり、地域の人が残って作っているという感じですかね。イベント時は、他の人にも手伝ってもらったりしながら、ほそぼそとやっています。 一番人気はよもぎですね。よもぎは自分で摘んだものを使っています。その他のパンも、地域のもの、その時期に旬の野菜を活かして作ることを大事にしています。野菜を子どもに食べさせたいという思いもあります。保育園や幼稚園のおやつにも使われているんですよ。
〜何度も通いたくなるパン屋さん〜
体に優しいパンを作り続ける、おかあさんのような愛情がたっぷりと詰まった「おかあさんのパン」。何より安心安全で、県外からのリピーターも多いそうです。何度でも足を運びたくなる、のどかで落ち着く優しい雰囲気の場所です。こだわりのパンが袋詰され、棚にたくさん並んでいます。どれにしようかなと選ぶ時間も楽しくなります。ぜひ、この温かみが感じられる素敵な空間を訪れてみませんか?そこで、みなさんのお気に入りの「おかあさんのパン」を見つけてみてください。
連絡先
おかあさんのパン
大分県日田市殿町4180